日本航空(JAL)再建が国交大臣の直轄チーム(前原タスクフォース)の下で進められようとした。一応、企業再生支援機構の支援要請がなされたが、前原チームが無関係になったわけではない。ところで私は、タスクフォースが描いた再生スキームは、郵政民営化、郵政資産売却と同様の小泉改革の不良債権処理の延長戦(=外資及び、その手先たちによる日本の富の収奪と同じスキーム)だったと考える。今後の展開を注視しなくてはならないが、決して国民の財産である航空ネットワークを一部の者たちの食い物にされるようなことがあってはならない。日本長期信用銀行や郵政公社がそうであったように……。
JALの恣意的な新株割り当てはどう考えてもおかしい
128億円分のJALの新株を、勝手に一部の関係者のみに割り当て。再上場時に1(株)あたり1,790円の儲け。当局は一方的にJALを潰しておいて、なぜ旧株主には新株を販売せず関係者の利得を図るのか? (12.9.14)
JAL問題追及に対するみなさんからのご反響
JAL問題に関しては、このサイトの読者のみなさんから多くの反響をいただいています。掲載のご了承をいただき、以下にその一部をご紹介します。 (10.4.21)
以下 10年3月掲載
私はJAL関係者を告発します
私は現在、日本航空と郵政民営化のプロセスについて、関係当事者に違法行為があったものとして、司直に捜査追求していただくべく、いくつかの告発や訴訟を起こす準備を進めています。これほど社会的影響が大きく、被害額も大きい問題なのですから、検察は取り上げなければ筋が通らないと思います。
小沢氏が捜査対象になるなら、JALはもっと社会的問題だ
小沢氏と小泉元首相と、一体どちらが独裁者だったか。どちらが政治家として独裁者的な権力行使を行ってきたでしょうか。確信犯か過失かよくわからない小沢氏の政治資金報告書の虚偽記載(仮に、確信犯だったとしても立証できなければ、法治の理念上は意味をなさないのです。)に比べれば、私の視点からみれば、日本航空の有価証券報告書の虚偽記載のほうが確信犯であり、社会的損害も大きいはずです。
「JALの債務超過状態」をマスコミにリークしたのは誰か
デューデリジェンスを行う場合、通常であれば守秘義務契約を結びます。しかし09年の11月、だれかがこの守秘義務を破り、「日本航空は5,500億円の債務超過」という報道がなされ株価は大暴落。株主は大損害を被りました。これは公務員であれば刑事罰を伴った犯罪です。見過ごしにはできません。
法治国家としてJAL関係者に徹底的な捜査、訴追を
長銀の時だけでなく、りそな銀行の時だけでなく、カネボウの時でさえ、産業再生機構の手によってまったく同じような、企業再生というよりは不良債権処理という名のもとの金融資本とその関係者による冨の収奪といったほうが適当な結末になったことはだれもが知っていることです。その愚を繰り返さないためにも、JAL破綻処理を事件として認識し、監視し、疑惑を告発し、そして捜査訴追を行わせる必要があるのです。だいたい、カネボウのときでさえ、経営陣や監査法人は然るべき処罰を受けているのですから・・・・・・・・
以下 10年1月掲載
一部勢力によるJAL資産の収奪を許すな
JALへの外国航空会社やファンドの出資がなくなったことにより、一部勢力によるJAL収奪の危機は一見去ったかのように見えます。しかしJAL再建を主導する人物や、再建策のパターンは長銀など過去の事例とぴったり重なっているようです。こんなことで国民の財産であるJALを守ることができるのでしょうか。
JAL既存株主よ、立ち上がれ!
「日本航空の既存株主は100%減資によって権利をすべて取り上げる」という日本航空再建案。企業再生支援機構、もしくはその他関係者の再建案リークにより株価は大暴落。JALの有価証券報告書を信じて、同社の再建を支えるため株を持ち続けた40万人の株主をないがしろにして企業再建など可能なのでしょうか。
「100%減資」は憲法違反だ
金融機関は担保で保全されていない債権をJALから17%回収する。企業年金は50%、マイルは100%を保全。JALが「○○千億円の債務超過」であったら、法的にこのような不公正な返済計画はできません。それなのに、株主の権利はゼロに。JALを清算するわけでもないのに、なぜ善意の株主の権利が無条件に剥奪されるのでしょうか。こんなことが罷り通っては、日本の会社制度自体が成り立たなくなってしまうでしょう。
税金を出資するなら日本航空は国営に戻すべし
「100%減資」というとんでもない話を強引に進めようとしているのは、JALの資産収奪を虎視眈々と狙っている勢力ではないのでしょうか。自己の利得を図るためにこんな無茶をやっているのです。JAL再建の最終帰結は、機構が出資する3000億円分の資本がどこに行きつくかにかかっています。もっとも公平感・株主の納得感のある結論は、JALを国営企業に戻すことにあると私は思います。
以下 09年11月掲載
最悪の日本航空再建シナリオを予測する
JALに出資する外国航空会社と投資ファンドは、労せずして数千億円のJALの資産をいただいて高笑い、反対に利用者は赤字の穴埋めをさせられ、地方住民は路線を失って泣く。こんな悲劇的な結末が目前に迫っているのではないでしょうか。
最大の問題「羽田空港の発着枠」
10年11月に広がる羽田発着枠。この資源こそ、日本の航空ネットワークの要であり、シビルミニマムの達成、地方の格差是正、東京一極集中の排除、日本の航空業界の真の競争力強化のために慎重に配分を考える必要があります。もちろん羽田枠はJAL再建とも密接にかかわってくる問題と言えるのです。
JAL再建、わたしならこうする part1
日本航空は、国際線会社、国内線会社、整備会社に3分割。国際線会社は自立させ、国内線会社については路線ごとに、空港利用料金を原資とする補助金を投入して、スポークを維持・強化し、羽田空港をハブとするネットワークの維持に努めるべきです。逆に、スポークが貧弱なハブ空港(羽田)なんて虚構でしかありません。
JAL再建、わたしならこうする part2
路線を指定せずに羽田発着枠を航空会社に丸与えするのはおかしい。むしろ発着枠を航空会社以外に開放し、路線維持に対する補助を与えられるよう、JAL再建と同時に航空法や航空行政を見直す努力をするべきです。
日本航空再建問題は「小泉改革の延長戦」part1
この10年、日本人の資産は「改革」の美名の元に、外国勢力によって安く買いたたかれて来ました。その愚が、まったく同じメンバーと手法によって繰り返される可能性があるのがJAL再建問題なのです。
日本航空再建問題は「小泉改革の延長戦」part2
日本航空のデュー・ディリジェンスを行った「JAL再生タスクフォース」の顔ぶれは、小泉改革を推進していた勢力に他なりません。つまりJALは「不良債権処理」として、バラバラに解体され外資にたたき売られてしまっていたかもしれないのです。